頭痛の頻度
15歳以上の日本人のうち、3人に1人は頭痛もちといわれています。国際頭痛学会頭痛分類委員会により改定された国際頭痛分類第2版[PDF資料]では、 頭痛を細かく分類していますが、日本人全体では、緊張型頭痛が30%、片頭痛(偏頭痛)が8%にみられ、群発頭痛が、一万人に一人程度みられます。
脳は痛みを感じません
脳自体は痛みを感じません。痛みを感じるのは、頭蓋骨の外では皮膚、筋肉、靭帯、関節などの軟部組織です。頭蓋骨も痛みを感じません、痛いのは骨ではなく骨を包んでいる骨膜です。
頭蓋骨の中で痛むのは、まず脳を包んでいる硬膜という硬い膜です。血管は細いものは全部痛くなく、太い血管だけが痛みを感じます。脳の表面の細い血管は痛くありません。脳の静脈の血液が集まるが静脈洞という場所は硬膜でできていますので痛みを感じます。脳の細い静脈と静脈洞をつないでいる太い橋静脈と呼ばれる静脈も痛みを感じます。脳腫瘍の患者さんで頭が痛くなるのは、脳腫瘍ができたために脳が変位して、この橋静脈が引っ張られて痛いので、これを牽引性頭痛といいます。
それ例外に眼や鼻の病気でも頭痛は起こりますし、うつ病などの精神的な病気の頭痛や神経痛でも頭痛は起こります。
頭痛の分類
頭痛を国際分類では細かく分類していますが、実際には頭痛の原因が死ぬ病気なのか死なない良性の頭痛なのかを鑑別することが重要です。
頭痛で死ぬ病気には、くも膜下出血・脳内出血、脳腫瘍、髄膜炎などがあり、死なない良性の頭痛には、緊張型頭痛、
片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、緑内障、心身症などがありますが、下のどれかにあてはまる場合には、死ぬ病気が頭痛の原因となっている可能性があります。
- バットで殴られたように突然起きた、今まで経験したことがないような激しい頭痛。
- しだいに強さが増して1週間以上長く続く頭痛。
- 意識障害、嘔吐、めまい、麻痺やしびれなどの症状が同時にみられる頭痛。
- 起床時にみられる頭痛。
- 高熱を伴う頭痛。