体動補正撮影

JET（体動補正）

JET（体動補正法）により動きを補正し安定した検査を行います。JETは全身の様々な領域で体動の影響を低減する新機能です。これにより意識のない患者さんや不随意運動のある患者さんの撮像やすい臓・子宮など動きが多い臓器の精密検査をする場合に有用な方法です。

体動補正法JETは、FSE（Fast Spin Echo）法で得られた収集エコーデータの束（blade）をk-space（実空間の画像データのフーリエ変換である空間）上で回転させて充填し、画像化する手法です。k-spaceの中心を重点的に加算するため動きによる雑音を軽減することができます。回転と位置の補正を加えk-spaceに変換して画像化します。このため動きの雑音に強い手法となります。

未加工dataの二次元配列を k-space（実空間の画像データのフーリエ変換である空間 と呼んでいます。未加工dataを二次元フーリエ変換するとMR画像になります。

これまでは、呼吸や体動の影響を受けにくい技術として頭部領域を中心に一部医療機関で使用されていました。当院のMRIでは、実用性を向上させると同時に検査領域の拡大を図っています。折り返し防止機能の改良、脂肪抑制パルスの適用可能、IRパルスの適用可能、および呼吸同期機能などです。例えば、画質低下を招く大きな要因であった折り返しアーチファクトを抑制する機能については、折り返し防止の併用を可能とすることでFOV設定の自由度が改善され、10段階で折り返し防止のサンプリングの割合を変更できるようにしました。これによって、画質低下を抑え、同時に撮像時間と分解能のバランスをより細かく設定することが可能になっています。また、撮像パラメータの自由度を向上させることで、T2強調像のほかFLAIR像、T1強調像も得られます。このような機能拡充によって、整形、腹部、骨盤部など、領域を選ぶことなく高精度かつ確実で精密な検査が可能になっています。