脳ドック
脳ドックは1時間程度の時間がかかるのが一般的でしたが,当院では高速化した次世代のMRIで一度に広範囲をスキャンしますので,頭部のMRIを3種類、頚部のMRIを1種類、頭部と頚部のMRA(血管撮影)、合計6種類の検査を実質15分弱で実施しています。しかも、微細な検査が可能になり、1mmの動脈瘤も見逃しません。
MRIは人体から出る微細な磁気を機械でとらえてコンピュータで人体の中を3次元で表示します。当院のMRIは、磁場の強さ・磁場の検出器の性能・コンピュータの性能をシステムとして高いレベルで統合しているため,高速でかつ詳細な撮像が可能となっています。
人体からでる微細な磁気信号の処理の方法を変えることで、腫瘍・脳動脈瘤・脳梗塞危険因子などの基質的な変化や多発性硬化症・認知症危険因子などの質的変化を短時間で明瞭に捉えて早期発見早期治療につなげています。
当院の脳ドックは日本脳ドック学会のガイドラインによる脳ドックに脊髄のMRIを加えたものです。最新の128ch-RF受信システムのMRIにより、頭部のみならず頭頚部までの広範囲撮像が可能ですので、途中でコイルの取替えることなく、患者さんはMRI装置のベットに寝ているだけで、頭部だけでなく頚部まで鮮明な血管画像や良好な各種断層画像を短時間で撮像する事ができます。
頚部血管検査
脳ドックでは、頚部の血管をエコー検査(超音波)で行っていることろが今でも多いようです。旧型のMRIでは、3Tでも頭部の検査だけで1時間程度かかっていましたし、血管の内部の粥状変化などの詳細な情報が得られるだけの性能がなかったことが理由だと考えられます。
当院の頚部血管検査はMRAで行っています。受信システムのチェンネル数が従来のMRIと比べて飛躍的に多く高いコンピュータの性能と高度に統合されたシステムを持っているため、血管内部の変化も詳細に得られる性能がありますし、コイルを変えずに頭部のみならず頭頚部までの広範囲撮像が可能なMRIで検査を行えるからです。
エコー検査の画像と頚部MRAの画像を見比べていただければ一目瞭然ですが、一般の方がエコー検査の画像を見ても理解するのは極めて困難です。それに比べ,頚部MRAの場合は初めて見る患者さんでも簡単な説明を受けるだけで直感的に理解ができます。
脳ドックの目的
脳疾患を初期にあるいはその危険因子をみつけ出すことに適した検査項目の選択、検査の精度、みつかる所見に対する対応などには当然多くのバリエーションがあり得るが、現時点で考えられる好ましい指標が日本脳ドック学会から発表されています。これは「脳ドックのガイドライン」(日本脳ドック学会, 2014)として出版されており、それに準拠した脳ドックが学会として推奨、認定されている。当院の脳ドックも日本脳ドック学会の「脳ドックのガイドライン」にそって、有用と思われる検査を加えたものです。
脳ドックの主たる目的は脳卒中と認知症の発症予防となっております。脳・脳血管疾患のうち、発生頻度が高く、個人的あるいは社会的影響が大きい疾患の代表が脳卒中と認知症だからです。したがって、そのために役立つ情報を的確に把握することと、それに基づいた適切な健康指導を行うことが大切です。もちろん、脳ドックでは脳腫蕩や稀な神経疾患などが発見される可能性があります。しかし、これら頻度が少ない疾患の発見を目的として脳ドックを受診することは非効率的といえます。 脳MRIの画像所見はそれのみでも独立した脳卒中、認知症の危険因子でありうることが知られています(Debetteら, 2010)。しかし脳卒中、認知症の具体的な予防対策を指示するには、単に脳・脳血管の画像検査晴報を得ることだけでは十分ではありません。高血圧、糖尿病、肥満、喫煙習慣、動脈硬化などはそれぞれが脳卒中の危険因子であるとともに認知症の危険因子でもあります。したがって、それら各種の検査所見と合わせて総合的に判断する必要があります。そして受診者の生活習慣や環境、全身状態を把握したうえで、受診者に正しい対応を指導することが大切であります。現在、日本脳ドック学会の指針では受診者に正しい対応を指導することのない画像検査のみを行う脳検診は脳ドックとは呼ばないことに決められています。
当院の脳ドックは日本脳ドック学会のガイドラインによる脳ドックに脊髄のMRIを加えたものです。最新の128ch-RF受信システムのMRIにより、頭部のみならず頭頚部までの広範囲撮像が可能ですので、途中でコイルの取替えることなく、患者さんはMRI装置のベットに寝ているだけで、頭部だけでなく頚部まで鮮明な血管画像や良好な各種断層画像を短時間で撮像する事ができます。
全身のがん(癌)を早期に発見することを目的とした検査を加えたコースもありますので、がん(癌)が心配な方にはドックCのコースをお薦めします。
がん(癌)を早期発見する方法は、「DWIBS (diffusion weighted whole body imaging with background body signal suppression:背景抑制拡散強調画像)+T2のFusion処理」というMRIの検査法で、PETと違い泌尿器系のがん(癌)や糖をあまり使わないがん(癌)も早期発見することができます。