予防接種
赤ちゃんがお母さんから受け継いだ病気に対する抵抗力(免疫)は、生後8~12ヶ月ごろまでに、自然と失われ、赤ちゃん自身で免疫を作る必要が生じてきます。また、お子さんが大きくなるにつれ、外出の機会も多くなります。保育園や幼稚園に入るまでには、予防接種で免疫をつけ感染症を予防しましょう。
予防接種を公費(無料)で受けられるのは7才6ヶ月までです。それを過ぎますと自費になります。予防接種を受けるつもりが忘れてしまっているとか、受け損ねているかたがいましたら、早めに受けるようにしましょう。
三種混合、風疹、麻疹、日本脳炎の乳幼児予防接種は完全予約制で行っています。電話または受付にてお問い合わせください。なお千葉県内在住の方は窓口での負担はありません。
インフルエンザ、肺炎球菌、おたふくかぜの予防接種の予約も承っておりますので、ご希望の方は、電話または受付にてお問い合わせください。
三種混合(DPT=ジフテリア・百日咳・破傷風)
三種混合(DPT=ジフテリア・百日咳・破傷風)破傷風の予防接種の効果は約10年しかないため、小学6年生で二混(DT=ジフテリア・破傷風)の追加接種をします。しかし、これは少なくともDPTを3回受けて、基礎免疫ができている者だけです。DPTを受けていないものには小学6年でのDTは意味がないのでしません。
肺炎球菌
肺炎球菌は細菌の中の一つで、体力が落ちている時やお年寄りになって免疫力が弱くなってくると肺炎や髄膜炎などを引き起こします。肺炎球菌には80種類以上の型がありますが、このワクチンはそのうちの23種類の型に対して免疫をつけることが出来ます。この免疫はよく持続して5年以上続きます。
接種後の副反応として,ときに軽い熱がみられることがあります。ただし、2回目の接種をすると反応が強くでることがあるので再接種は1回目から5年間はできません。過去にこのワクチンを受けたことのある人は、再接種(2回目の接種)は5年後にできます。当院では80歳以上の方や肺炎球菌による重篤な疾患に罹患する危険が高い人におすすめしています。
おたふく風邪(ムンプス)
生後12か月以上の小児および成人に接種できます。好発年齢は3~6歳で、発熱と耳下腺の腫脹が主症状です。10%ぐらいに髄膜炎がおこり、難聴・不妊症の後遺症がたまに起こりますので予防接種をしておくべきと考えますが、これは有料になります。なお米国の場合は基本的に予防接種済み証明書の提出が要求されますので注意して下さい。
風疹
妊娠初期に罹ると、胎児に先天性の心疾患、難聴、白内障、網膜症などの先天異常をきたす先天性風疹症候群がおこりますので,女児は入学前におこなうようにしましょう。子供のとき罹った場合は、発熱とリンパ節の腫脹をおこしますが、合併症もほとんどなく軽い病気です。大人になってから罹ると血小板減少性紫斑病や脳炎をおこすこともあります。男児も無料で受けられるうちに受けておいたほうがいいでしょう。
麻疹(はしか)
子供のときに罹ると熱と発疹が出る病気ですが、大人になってから罹ると肺炎や脳炎になることが少なくなく、重症になる病気です。予防接種後の副反応としては発熱が約20~30%、発疹は約10%にみられます。脳炎が100~150万接種に1例程度、報告されていますが、予防接種をせずに麻疹に罹った場合、1,000 例に1例の割合で脳炎を合併し、そのうち15%は死に至ってしまいます。現在もなお年間、数十名の死亡例がみられており、病気になることに比べたら利益のある予防接種と言えます。大人でも予防接種はできますので、ご相談下さい。
日本脳炎
毎夏日本脳炎ウイルスを持った蚊は発生しており、国内でも感染の機会はなくなっていません。感染すると、死亡率は20~40%で、生存しても45~70%に精神神経学的後遺症が残ります。特異的な治療法はなく、予防が最も大切な疾患です。