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新型コロナウイルス感染症
2020年1月9日、世界保健機関 (World Health Organization; WHO) は2019年12月8日に中華人民共和国湖北省武漢市で発生した肺炎の集団発症が新型コロナウイルスによるものであるとする声明を出しました。2019年に発生した新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、SARSコロナウイルス2 (SARS-CoV-2)がヒトに感染することによって発症する気道感染症（ウイルス性の広義の風邪の一種）です。 日本では、2020年2月1日、「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令」の執行により、法令において「新型コロナウイルス感染症」と定められ、感染症法に基づいて強制入院などの措置を取ることができる指定感染症（二類感染症相当）に指定されました。新型インフルエンザ等対策特別措置法上も期限付きで新型インフルエンザ等とみなされ、日本国政府が緊急事態宣言を発令できるようになりました（令和2年法律第4号に基づく）。 2020年2月11日、WHOがCOVID-19（コビッド ナインティーン）と命名しました。COVIDとは “corona-virus disease”（コロナウイルス疾患）の略称で、19は最初にウイルスが発見された2019年を表しています。
症状
症状は様々であり、軽度から重症まで多岐にわたります。一般的な症状には、40℃程度の高熱 (98%) 、乾いた咳 (76%) 、息切れ (55%) などがみられます。嗅覚や味覚の消失、全身倦怠感、吐き気、筋肉痛なども報告されています。 大部分の感染者は、無症状または風邪様症状を伴う軽症で自然治癒しますが、基礎疾患がある方などでは、重症化して急性呼吸窮迫症候群や敗血症、多臓器不全を伴います。 ほとんどの患者（81％）は軽度から中等（軽度の肺炎まで）の症状であり、14％は重度（呼吸困難、低酸素症、X線写真で肺の50％以上に異常所見がみられる）となり、5％は致命的（呼吸不全、ショック、多臓器不全）となります。ウイルスに感染した人の少なくとも3分の1は、どの時点でも目立った症状を発症しません。 潜伏期間は 1日～14日間とされ、世界保健機関 (WHO) は平均値を 5日～6日としています。新型コロナウイルス感染者から無感染者の発症までの「発症間隔」は、3.5日～5.9日とみられており、潜伏期間に感染能力をもつ可能性が指摘されています。 新型コロナウイルに感染していても症状が現れない不顕性感染者がおり、無症状病原体保有者と呼びます。無症状病原体保有者は、その保有する当ウイルスを他者に感染させる可能性があります。
ワクチン
いくつかの新型コロナウイルスワクチンが、新型コロナウイルス感染症の予防に95%という高い有効性を示しています。日本で使われている、ファイザー製のワクチンとモデルナ製ワクチンも２回の接種で、95％以上の有効率があるとされています。これは、インフルエンザワクチンの有効率（１回接種で64％、２回接種で94％）とほぼ同じです。 ワクチンの有効率が95％というより、ワクチンにより体内に中和抗体を作ることのできる遺伝形質を持っている人が、95％程度といった方が良いのかもしれません。 5％程度の人にはワクチンが無効なのですから（重症化を防ぐ作用はあると思われている）、１億人の人にワクチンを接種しても、500万人の人の感染予防は出来ないということになります。東京でしたら、全員に予防接種を行っても、50万人程度の感染者は発生するということです。 インフルエンザワクチンは人によっては、数か月で予防効果が少なくなりますが、新型コロナウイルスワクチンもやはり人により、数か月で予防効果が落ちてくるようです。本来なら抗体価を調べて抗体価が下がっている人に追加でワクチンを接種するというのが良いと思いますが、そうなると費用と時間がかかってしまうので、全員に追加でワクチンを接種ことになりそうです。